毎年、地域によって多少異なりますが、6月から7月の終わりにかけて梅雨の時期が訪れますよね。この時期になると連日、雨が降り続き、気温も上がってくるので、憂鬱な気分になる方や、体調が優れなくなる方も多いのではないでしょうか。実は、梅雨時期になると不調になるのは人だけではなく、家もそうなんです。湿気も多くなる梅雨時期には、いたるところでカビが発生したり、日頃、紫外線や雨風などのダメージが表面化し、雨漏りするお宅が多くなる時期なのです。
この記事では、梅雨時期の雨漏りの原因とその対策について解説いたします。
梅雨時期に多い雨漏りの原因!
雨漏りって聞くと、屋根に穴が開いて雨水がポタポタ落ちてくるイメージがあると思いますが、実際には、わずかな隙間からでも雨水が侵入してきて雨漏りを引き起こします。では、なぜ雨水が侵入する隙間ができてしまうのか?雨漏りしてしまうのか?を解説いたします。
雨漏りが発生する主な原因は、大きく分けて4つです。
・屋根材や建築素材の破損
・屋根材や建築素材の劣化
・施工時の施工不良
・排水機能が機能していない
以上の4つが主な原因となっています。
次の章では、雨漏りの原因ごとに一つ一つ詳しく説明いたします。
屋根材や建築素材の破損
屋根材や建築素材の破損は、雨漏りしてしまう原因の一つで、主に4つの原因が挙げられます。
①台風や突風による破損
屋根材が破損してしまう原因として非常に多いのが、この台風や突風などの強風によるものです。日々、紫外線や雨の影響で屋根材は劣化しています。そこに想定外の強風が吹いたりして、屋根材が煽られてしまうと簡単に亀裂が入ったり、屋根材が飛ばされてしまったりということが起こり破損します。意外とあっさり屋根材は飛ばされてしまいます。
強風による被害の例として以下の例が挙げられます。
・棟板金の変形、飛散
・漆喰の剥がれ
・瓦の割れ、ズレ
・スレート屋根の剥がれ
・雨樋の破損
・テレビアンテナが倒れたことによる屋根の破損
②飛来物による破損
強風や台風時には、飛来物による破損が増えます。実際に、隣の家の屋根材が剥がれ、飛来物となって屋根の高さまで飛び屋根材に直撃することもあります。
主な、飛来物による被害として以下の例が挙げられます。
・飛来物による窓の破損
・飛来物による玄関の破損
・屋根材の破損
他にもまだまだ事例はありますが、知っていただきたいのは屋根の高さまで飛来物が飛んでくる場合もあるということです。
③地震による破損
地震が発生すると、その揺れによって屋根はとても被害を受けます。特に瓦屋根の場合、瓦のズレが生じたり、棟の倒壊などの被害が起こります。実際に、阪神・淡路大震災の際に、瓦屋根は重く被害が大きかったため地震に弱いという認識が広まりました。主な、地震による被害は以下の例が挙げられます。
・瓦屋根の棟部の落下
・外壁のひび割れ
・瓦のズレ、割れ
・雨仕舞いの破損
④凍害による破損
寒い地域で起きる被害として、凍害というものがあります。凍害とは、建材に染みた水分が凍り、氷となることで体積が変化し、ひび割れ箇所などを広げ破損するのです。
主な、凍害による被害は以下の例が挙げられます。
・瓦がかけてしまう
・漆喰が割れてしまう
・外壁の表面が剥がれる、崩れる
・外壁のクラックが広がる
屋根材や建築素材の劣化
屋根材や建築材の劣化では主に以下の症状が多いです。
①屋根材の劣化
・棟板金の釘が抜ける
・屋根の反り
・瓦屋根のズレ
・屋根材のひび割れ、欠ける
・屋根の色あせ
・屋根に苔が繁殖
棟板金というのは屋根の頂点で屋根材を固定しているものです。棟板金は、釘で固定しているため劣化によって少しずつ抜けてきてしまいます。釘が抜けることによって棟板金浮いてしまい雨漏れします。また、水分を含んだスレートが、天気の良い日に急激に乾いたことによって反り返りや、ひび割れが起こり、屋根材が欠けてしまいます。屋根にはその寿命を守ために塗装がしてあります。その塗装が剥がれると色あせたり、苔が繁殖します。この症状が出た場合は、屋根の塗膜が守られていないサインとなりますのでメンテナンスが必要になってきます。
②シーリングの劣化
シーリングは主に、雨水の侵入を防ぐ役割と、建材の固定、クッションの役割があります。他にも補修の際に使われたりします。
どんなにぴったりと、資材同士をくっ付けても隙間が開いてしまうため、建物を建てる際には、シーリング処理は必須となっています。なのでシーリングが劣化してしまうと雨水が侵入し雨漏れにつながります。
シーリングの劣化には以下の4つがあります。
・外壁とシーリング材との間に隙間ができてしまう剥離
・シーリング材の真ん中が切れてしまう破断
・シーリング材が取れて後ろの下地部分が見える欠落
・シーリング材が細かく、ひび割れしている状態
シーリングの症状により補修方法は異なります。
大きく分けて2つの方法があります。
①打ち替え・・・既存のシーリングを撤去し新たに充填する方法
②増し打ち・・・既存のシーリングの上から新たに充填する方法
シーリングの寿命は一般的に5~10年と言われています。シーリングの劣化が確認できたら業者に依頼してメンテナンスしましょう。
③防水シートの劣化
防水シートの劣化は
1.紫外線による経年劣化
2.シートに含まれている可塑剤の気化による、ひび割れ
3.防水シートの結合部分の不具合
の3つが原因です。
防水の仕方は、主に3つの方法あります。
①塗膜防水
②シート防水
③アスファルト防水
これらは大体、10年を過ぎると劣化し始めますので、その時期になったらメンテナンスを行いましょう。
④外壁材の劣化
外壁材の劣化には主に5パターンあります。
・外壁のひび割れ
・目地のひび割れ
・チョーキングの症状
・外壁の反り・浮き
・苔・カビの繁殖
外壁材の劣化をそのままにすると、外壁からの雨漏りにつながってしまいます。そうなってしまうと高額な修理費用となってしまいますので早めにメンテナンスしましょう。
施工時の施工不良
雨漏りは、屋根材等の経年劣化や、台風が原因だけではなく、それらと同じくらい施工不良という場合が多いです。
以下の場合は、施工不良が原因で雨漏りしているの疑いがあります。
・新築で雨漏りした
・増設やリフォームして雨漏りした
・一度直したが再発した
これらの場合には、施工不良による雨漏りを疑いましょう。
実際にあったケースとして、サッシ周りや、窓枠、換気口などの取り付け部の隙間が処理されていなかったり、雨樋や、屋根の防水シートの設置が不十分だったケースがありました。
雨漏り修理は、原因を見つけることがとても難しいため、技術のない方が修理を行ってしまうと再発し、最悪の場合悪化する恐れがあります。雨漏り修理は決して安いものではありませんので、価格だけで業者を決めずに、しっかりとした実績・経験・資格を持った雨漏り修理専門のプロに頼むことをお勧めいたします。
排水機能が機能していない
特にベランダや、陸屋根での雨漏りの原因として多く、排水機能が機能していなことによって引き起こります。排水口にゴミや枯れ葉がつまることで水が溜まり雨漏りにつながりますので、定期的にゴミが詰まっていないか確認し、掃除を行うようにしましょう。
以上の4つが、梅雨時期に起きる、主な雨漏りの原因になります。
梅雨時期は、台風時のような強風の横殴りの雨ではないので、屋根・バルコニー等の水平面での雨漏りが特徴になります。
梅雨時期前までの対策として、修理と掃除、メンテナンスを行うことです。
なので、屋根材・建築材が、劣化・破損をしたら、すぐにメンテナンス・交換を行ってくれる業者に頼み、安心して梅雨時期を乗り越えましょう。
雨漏りした際の応急処置
もしも、雨漏りが発生した場合のために、応急処置方法を解説いたします。解説の前にまず、雨漏りは一般の方では直すことができなということを知っておいてください。その理由は、原因の特定がプロでも難しく、複数の箇所が原因であったり、全然違うところから雨漏りしている場合が多いからです。下手にシーリング処理などをしてしまうと、かえって雨漏りを悪化させてしまったり、修理の際にそれを一度剥がしてから行わないといけなかったりするからです。
これからお伝えするのは、あくまで一時的な処置で、二次災害を引き起こさないようにするための方法になります。
①バケツや、ボウルを置く
急に雨漏りが始まった場合、周りの床や、物に雨水が飛び散らないように縁の高いバケツなどで、雨水を受け止めましょう。その際に、下にゴミ袋や、ビニールシートを引くことで、バケツから飛び散る雨水を防ぐことができます。
②紙オムツを置く
紙オムツは吸収性がとてもすごいため、雨漏りした際の一時的な応急処置でも使えます。紙オムツは、子供用でも大人用でも構わないので床に広げておくと、水が落ちる音も気にせず防ぐことができます。
③屋根の上にブルシートを被せる
よく雨漏りの応急処置で、ブルーシートを被せるというのを見かけますが、これは大変危険なのでやめましょう。
まず、雨が降ってる際に屋根に登ることは大変危険です。たとえ晴れていたとしても、足場なしでは、落ちる危険性が高く、屋根に登ることによって、他の屋根材を踏み、破損させ被害を大きくする危険性があるからです。また、ブルーシートを雨漏りしている屋根に被せ固定するのも、風で飛ばされるため簡単ではありません。せっかく雨漏りを止めに行ったのに、屋根材を割ってさらに雨漏り箇所を増やしてしまっては本末転倒なので、この方法はオススメいたしません。
以上が、雨漏りの一時的な応急処置になります。雨漏りした際は、雨水が飛び散らないようにして、すぐに業者に連絡することをオススメいたします。
その際、雨漏りしている箇所や、バケツに溜まる水の量などを写真に撮っておくと、業者の方もいち早く原因が分かり、すぐに対応してもらえますのでオススメです。
まとめ
梅雨時期の雨漏りは、屋根、バルコニー等の水平面の箇所から起きることが多いのが特徴です。雨漏りの主な原因は、屋根材・建築材の劣化・破損、施工時の施工不良、排水口の詰まりなどで起こります。
対策としては、屋根材・建築素材の、破損・劣化している箇所の修理・メンテナンスを行うことです。また日頃から、排水口の確認・掃除を行うことで梅雨時期の雨漏りを防ぎましょう。
雨漏りが起きた場合は、危険ですので屋根には登らずに、バケツ等の水受けを置き、雨水の飛散を防ぎましょう。そして雨漏りしている箇所・落ちてきた水の量を写真に撮り、すぐに雨漏り業者に連絡しましょう。
雨漏り修理やメンテナンスを行ってくれる業者を見つけるには?
雨漏り修理は、建築修理の中でも特に難しく、雨漏り工事で一番大切なことは、雨漏りの原因が把握できているかどうかにかかっています。なので如何に雨漏りの現場を見て雨漏りのパターンを経験しているかが大切になってきます。
もし、原因の特定に失敗していたら、雨漏りは再発しまし、再工事のための余計な出費がかさんでしまいます。だから、一般の方はもちろん、大工さんなどでは雨漏りを直すことができません。もちろん簡単な場所であれば、見つけ、雨漏りを止めることはできますが、それは一時的で再発・悪化させてしまうことが多いのです。雨漏りの原因は、一箇所だけではなく複数の場合、雨漏りしている箇所とは反対の場所に原因がある場合が少なくないからです。雨漏り職人が原因を見つけられるようになるには、最低10年の経験が必要だと言われています。
きちんと雨漏りを止めてもらうためには、業者選びは間違えないことです。そして、どこが、なんで雨漏りしているのか、その原因を徹底的に追及してくれる雨漏り専門の修理業者を選ぶことをオススメいたします。
雨漏り修理を専門として、20年以上の経験・実績を積んだ雨漏り修理のプロ集団、屋根雨漏りのお医者さんにご相談いただければ、雨漏り修理はもちろん、屋根・外壁のメンテナンス・修理を安心して行うことができます。→ホームページはこちらから
雨漏り修理時の業者の選び方
修理を頼む際は地元の業者さんの方がいいですね。
あまり遠方から来る業者は、それこそ金額もかかりますし、例えば「直しました、でもまた雨漏りしてしまったんです」っていうと、なかなか来て頂けなくなっちゃうこともありますのでね。
やはり地元で仕事を行っていると、信用問題でやっていますので、本当にその辺はお客様にきちんとした形で提案できると思います。
あとは、見てすぐ原因がわかるっていうのは、よっぽどのことだと思いますね。雨漏りって見てもわからないことが多いので、できるだけ散水試験などはやって、それに対して見積もりを作るっていう業者さんの方が、きちんとしているんじゃないかなと思います。
その他、雨漏りの知識については下記のバナーから雨漏りチャンネルでご視聴できます。