とは言っても、やはり大工さんとか、工務店さんとかというような方々よりは、かなり後ろの方に隠れて遠慮がちなのが、建築板金業の方々、というイメージを今でも代表は持っています。
なぜ、この建築板金業を営む方々が表に出なかったのかといえば、建築板金の技術というのは習得が大変難しく、10年程度は、技術の研鑽を積まなければ、一人前とは言えないような世界です。
雨漏りドクターメンバーも、半数以上が、この業界で始めた頃は、どこかの親方のところに弟子入りし、本当に安い給料で何年か丁稚奉公のようなことを経験しています。そして、技術を磨かせてもらっているのです。ですから、同じ下請けであっても、他の業種の方々よりも、高い賃金で仕事をやることが多く、下請けの仕事で十分潤っている、という業界でした。あえて、一般の方々に対して営業をしたりする必要をあまり感じていなかったのだと思います。
代表が出会った、「板金組合青年部」の方は、その中でも、各県の代表として、東京に集まり業界の未来を考えよう、という意識を持った方のお一人で、業界のことを考えると共に、ご自身の技術、知識、ノウハウに誇りを持ち、お仕事をされていました。
板金組合では、毎年、各県から腕に自身を持つものが集まり、技術を競う競技会が開かれるのですが、その場も実際に見せていただきました。皆様、すごい熱気をもって、競技会に参加されています。たいてい、この競技会に参加される方は、“半年くらい前から、仕事以外の時間は、ほとんど全部をこの競技会の練習のために使っている”という方が多く、技術にかける気持ちがすごく高い業界なんだ、というのを、ものすごく意識させられました。
業界全体の流れとして、その頃までは、建築板金業を営む方々は、下請けとしてやっていれば、それなりに潤っていました。
しかし、ちょうど2010年頃は、建築業界自体がかなり辛い状態になっており、下請けの賃金も相当圧迫されつつあり、「あれ、今までのままでやっていって大丈夫なんだろうか?」と、建築板金の仕事に携わっている皆が思い始めていた頃でもありました。そこで、一般のお客様に対して、直接アプローチをかけていくことも必要なのではないか、と考え始めている時でもあったのです。
本部の代表との出会いにより、その「板金組合青年部」の方も一般のお客様にアプローチを掛けられる、インターネットを使った集客方法に興味を示してくださり「俺らと一緒に仕事をしないか」と言ってくださいました。
同時に、代表も、この業界の方々の技術に対する貪欲さ、意識の高さに触れ、また、業界を誇りに思う気持ちや、業界のこれからを背負っていくぞ、と考えている、各県の代表として出てきていらっしゃる方々とお話しをし、「ぜひとも、この方々をもっともっと多くの方々に知っていただきたい」そう考ました。
そして、すべて一から出直し、2010年4月、東京にて決起総会を行い、60名で全国を網羅する「屋根雨漏りのお医者さん」を発足し、お仕事を始めさせていただきました。今、本部代表は、こういった技術・知識・ノウハウを持った素晴らしい雨漏りドクターのメンバーを多くの方々に知ってもらえるということに喜びを感じています。また、メンバーを出来るだけ多くの方々に知っていただくことで、雨漏りの悩みを持っている方々を辛さから解放できるということにも喜びを感じます。だからこそ、このお仕事を楽しく気持ちを持ってできるのだと思うのです。