この店舗は、もう一つ別の店舗を修理させていただいたのですが、その店舗の雨漏りが治ったということで、別の店舗もご紹介いただいて、今日、点検に来ました。
<屋根の上に上がって>
雨漏りの調査ですけれども、パッと見て、「あー、これは部分的な補修では直らないな」という現場もあります。
例えば、特に大きな店舗や工場等によくあるのが、標準の施工方法と違って、こういう雪止め金具のようなものを屋根材に、直接穴をあけて打ち付けられてしまっているケースです。
こういう箇所が多くなってしまうと、雨漏りをする可能性があるところが多すぎて、どこが今の雨漏りの直接的な原因なのか、というのが分かりにくくなってしまいます。
ここは店舗ですから、デザイン的な要素が一番なんだと思いますし、建築費用にそこまで大きな額をかけられるわけではないと思うので、多少簡易的な施工になってしまうのは分からないでもないです。
しかし、あとのメンテナンスや、建てて何十年か後の、今のような状態になった時の修理費用を考えると、新築の際にこういうやり方をされてしまうと、お客さん、かわいそうだな、と思います。
普通の住宅ではないですから、多少はやむをえないところもあると思うんですが、実際には本当に直しづらいです。ここのお店の場合も、完全に雨漏りをふさぐのであれば、ちょっと余分にお金がかかってしまうんじゃないかな、というような感じです。
お客さん的には、このアングルが外れてしまっているので、ここから雨漏りしているんじゃないかな、と考えているようなんですが、実際にこの下の一番水が入る、箱樋の部分も危険個所です。
なおかつ、雨の水は上から流れてきますから、屋根上で直接ビスを打ってしまうと、上から流れてきた水がこのビスを伝わって落ちるということもあるので、ここのアングルが外れたから、それを単純にビスを打って直せばいいというようなものではありません。
実際に完全に雨漏りを止めるということになると、棟の上の水上(みずかみ)、一番高いところから直してこないと、この部分の雨漏りが完全に止まるとは言えません。
しかし、そうした論理的なことを考えていくと、どうしてもこの部分を上から全体的に治していかなければなりませんし、そうすると金額も高くなってしまうので、なかなかすぐに直す、ということが難しくなってきます。
普通のリフォーム屋さんだったら、「まず一度、この屋根を塗装しましょう」ということで徐々に徐々に直していって、「直らないから、次はこうしましょう」と少しずつ原因をつぶしていく、ということもあるんでしょうけど、最初から全体的なことを考えて雨漏りを直す、ということは、金額的にも技術的にもかなり難しくなります。
直接お客さんに言われている雨漏りの箇所とは違ったところですけども、こういった屋根と壁の繋ぎ目のところがはがれかけていたりすることも多いです。
実際に屋根に上がってみると、こういうふうに、雨漏りの危険個所で目に付くところが多いんです。
あとは、ここの店舗は、外壁にしろ、コーキングにしろ、どんな屋根屋さんが来ても、「もうそろそろ屋根全体を葺き替えたほういいんじゃないですか?」と言うようなレベルだと思うんですけれども、実際にはそれなりにお金もかかる話なので、ある一か所が雨漏りしているからと言って、屋根全部を葺き替えるという話にはなかなかなりません。
あとは、実際にこの屋根を施工したときに、常識的な範囲で施工をしているかしていないかによって、その後の雨漏りをしたときとか、他のところでお金がかかる、かからないが、あとになってずいぶん違うと思います。
<屋根を降りて、実際に雨が漏っているところで>
先ほど、屋根上で見た、室内の雨漏り箇所ですけれども、ポリバケツのようなものが置いてあります。
もう何年も前から雨漏りしているんだと思うんですけれども、店舗の場合はここと同じように、お客さんのところに水滴がかかる、というような場合以外は、そのままにしているケースが多いです。
店舗の場合は特に、たいていの雨漏りが、目につかないところでじわじわ漏れながら進行して、年数が経ってしまって急激に雨漏りしてきた時に、やっと気づいたということになる場合が多いです。
最終的には、こんな感じでポリバケツを置く、というような感じになってしまうんですね。
もう少し早くわかっていれば修理の補修方法も違うでしょうし、あとはかかる費用のほうも、コスト的に安く済むケースもあると思います。
見積もり・調査も無料ですし、気づいたら、早めに私たちに声をおかけください。